ド・モルガン-難関大数学でも必須の集合論-
集合論の話
今では、難関大の受験数学でも集合の考え方や、公式などは必須だと思います。
\(A \cap BやA \cup B\)などは、大学受験生でもよく知っている記号だと思います。場合の数や確率論の問題も、センター試験や難関大の2次試験にも結構出題されています。これらの基本を考えたのが、ド・モルガンと言う訳です。
ド・モルガンの功績
補集合は、ある集合Aではない集合のことであり、\(\overline{ A }\)と書きます。
\(A \cap B=\overline{A \cap B}\)、\(A \cup B=\overline{A \cup B}\)となりますが、これが、ド・モルガンの法則です。
ド・モルガンは、インド生まれのロンドン大の数学者ですが、当時のスコットランド
の論理学派と対立をしていたと言われています。天才ハミルトンなどがその中心だったらしいとのことなのですが、これに有名なブールなどが加わり、記号論理学が形成
されていったと言われています。
ド・モルガンたちの成功のポイントは、\(A \cup Bや\overline{A}\)などの記号化にあったのです。
集合の問題
【問題1】
平面上に直線の集合\(S\)が与えられています。2点\(A,B\)が一致するか、または直線\(AB\)が\(S\)に属するとき、\(A~B\)と書くことにします。
\(S\)が次の2つの条件を満たすとき、\(S\)は平面上の全ての直線を含むことを
証明してください。
(1)\(S\)は少なくとも1組の2直線で交わる
(2)3点\(A,B,C\)について、\(A~B,B~C\)ならば、\(A~C\)である
【問題2】
「どんな実数\(x\)に対しても、それぞれ適当な実数yをとると、\(ax≠by\)となる」
という命題が成り立たないためには、以下の命題は、どういう条件か判定してください。
(1)どんな実数\(x\)をとっても任意の実数\(y\)にたいして、\(ax=by\)となる。
(2)どんな実数\(x\)に対してもそれぞれ適当な実数\(y\)をとれば、\(ax=by\)となる。
(3)適当な実数\(x\)をとれば、どんな実数\(y\)に対しても\(ax=by\)となる。
(4)適当な実数\(x\)をとれば、適当な実数\(y\)に対して、\(ax=by\)となる。
(東大)