オイラー定数とは-eのもつ意味-

オイラー定数eの持つ意味

オイラー定数(ネイピア定数)eは、指数関数、対数関数の微積分にとても重要な役割を果たしています。\(e^x\)は、微分しても積分しても、関数は変わりません。eの定義は、高校で学びますが、もう少し詳しくeのもつ意味を考えてみましょう。

2項定理

2項定理より、
\((1+1/n)^n\)=\(1+1/n+n(n-1)/2!・(1/n)^2+・・・・・・・・+(1/n)^n\)
=\(1+1/1!+1/2!・(1-1/n)+・・・・・・・+1/n!・(1-1/n)+1/2!・(1-2/n)+\)
\(+・・・・・+1/n!・(1-1/n)(1-2/n)・・・・・・(1-(n-1)/n)\)

同様にして、\((1+1/(n+1))^{n+1}\)を考え、比較すると、
\((1+1/n)^n\)<\((1+1/(n+1))^{n+1}\) となります。

また、\((1+1/n)^n\)<\(1+1/1!+1/2!+・・・・・・・+1/n!<1+1/1+1/2+・・・・+1/2^{n-1}=3-1/2^{n-1}<3\) となります。

よって、数列 \((1+1/n)^n\) は単調増加し、有界ですから、収束することとなります。(*:厳密には、有界な単調増加数列は、収束することは、証明が必要です。)

この極限値をeとすると、

\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }((1+1/n)^n\)=e となるわけです。

実数値での極限

次に、n≦x<n+1 となる実数xをとると、すなわち n=[x] ですが、

\(1+1/n≧1+1/x>1+1/(n+1)\) となります。

\((1+1/n)^{n+1}>(1+1/x)^x>(1+1/(n+1))^n\) が成り立ちますから、

\((1+1/n)^n・(1+1/n)>(1+1/x)^x>(1+1/(n+1))^{n+1}・(1+1/(n+1))^{-1}\)

です。\(x→∞のとき、n→∞\)で、
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }((1+1/n)^n=\displaystyle \lim_{ n \to \infty }((1+1/(n+1))^{n+1}=e\) ですから、

\(\displaystyle \lim_{ x \to \infty }((1+1/x)^x=e\) となります。
また、\(1/x=h\)とおけば、\(l x l →∞のとき、h→0\) ですから、

\(\displaystyle \lim_{ h \to 0}(1+h)^{1/h}=e\) が成り立つことになります。

オイラー定数eは、このような意味を持っているのです。

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