なぜ確率を学ぶのか-確率はこう使う-

確率はどうして必要なのか

数学の分野には多くのものがあります。方程式、解の公式、三角関数、指数・対数関数、微積分などでしょうか。確率も数学の1分野ですが、他の分野と違って身の回りにあることを扱います。「どっちが得か。」を考える訳ですから最も役に立つ数学だと思います。確率論は、ヨーロッパの貴族がギャンブルに勝つのにどうすればいいかを数学者のパスカルに相談したことからできたと言われています。シュバリエ・ド・メレと言うギャンブラーがパスカルに次のような質問をしました。「AとBが、最終的に勝った方が総取りの賭けをしていたが、もしこのゲームを途中で止めるとき、中間結果から賭け金を配分するにはどうしたらいいか。」これは、「賭けの中断問題」と言われています。パスカルはこの問題に確率と期待値の考え方を導入して解決しています。

確率事象について

確率が応用されたり利用されたりする例は、多くあります。
・クラスに誕生日が同じ生徒がいる確率はどのくらいか。
・あるグループのメンバーが、休暇をとるとき休暇が重なる確率はどのくらいか。
・ポーカーでワンペアができる確率はどのくらいか。ツーペアができる確率はどのくらいか。
・宝くじは損か得か
など色々な事象があります。

よく知られている確率の問題の計算をしてみましょう。
40人のクラスの中で、誕生日が同じ生徒がいる確率は?
余事象を使えば楽に計算できます。全ての生徒の誕生日が異なるのは、\((1-1/365)(1-2/365)・・・・・・・・・(1-39/365)=365!/(365-40)!/365^40≒0.9\)
チーム10人が、その月にとる休暇を申請するとします。休暇が一致する確率はいくらでしょうか。これも誕生日の場合と同様に計算できます。チーム10人の場合、「休暇が2人重なる確率」は、\(69.1%\)です。

トランプの確率を考えてみましょう。ポーカーの例で考えてみます。ポーカーでは、4種類のカード(ハート、スペード、ダイヤ、クラブ)と13種のランク(数字+JQK)の52枚のカードで行います。まず5枚のカードが配られます。配られた5枚のカードで、1ペア、2ペアができる確率を計算してみましょう。
5枚のカードをもらうときの場合の数は、\({}_{52} \mathrm{ C }_5=(52・51・50・49・48)/(5・4・3・2・1)=2,598,960\)です。
配られた5枚のカードで、1ペアができる確率 \(P(1pair)=13・{}_4 \mathrm{ C }_2・{}_{12} \mathrm{ C }_3・4^3/{}_{52} \mathrm{ C }_5=0.423\)となります。
また2ペアができるのは、\(P(2pair)={}_{13} \mathrm{ C }_2・({}_4 \mathrm{ C }_2)^2・(13-2)・4/{}_{52} \mathrm{ C }_5=0.048\)

次にマージャンの簡単な例を考えてみましょう。マージャンは\(3種x9\)の数牌と\(7種\)の字牌をあわせた\(34種\)の牌が\(4牌\)ずつあり、合計\(136牌\)で勝負をするゲームです。配牌は、\(14牌\)ですが、この配牌を得る場合の数は、\({}_{136} \mathrm{ C }_{14}=4,250,305,029,168,220,000\)となります。何とこれは、約425京通りです。また、配牌で、対対であがれるのは、(もちろんこれは天和ですが。)

\(P(対対)={}_{34} \mathrm{ C }_4・({}_4 \mathrm{ C }_3)^2x{}_{30}\mathrm{ C }_1・{}_4 \mathrm{ C }_2/{}_{136} \mathrm{ C }_{14}\)=\(1/198890681\)

\(P(七対子)={}_{34} \mathrm{ C }_7・({}_4 \mathrm{ C }_2)^2/{}_{136} \mathrm{ C }_{14}=1/2,822,345\)となります。
トランプやマージャンも確率で考えてみるとさらに面白くなるかもしれません。

宝くじなども当たる確率を考えてみると、当たりは相当の幸運だということがわかるかもしれません。宝くじなどには控除率などがあり、これは胴元がとるテラ銭です。競馬、競輪などは、25%くらいですが、宝くじは50%程度あります。やはり胴元は損しないんですね。

 

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